漢方女史
利水の代表処方「五苓散」を覚えましょう!
五苓散は水滞を改善する漢方薬です。
膀胱炎などに処方されます。
5種類の生薬が配合されています。
沢瀉、茯苓、白朮、猪苓、桂皮
漢方界における利水トリオの沢瀉、茯苓、白朮で水を巡らせながら、
桂皮で身体を温める配合です。
五苓散はどんな症状に効くの?
八網弁証 | 表裏、寒証、実証 |
気血水 | 水滞 |
臓腑 | 脾、腎 |
薬効分類 | きょ湿剤 |
五苓散の生薬① 沢瀉
尿を出す。頭痛、めまい、口乾も治す。
五苓散の生薬② 茯苓
動悸や痙攣の症状に効果がある。めまいや尿が出にくいのも治す。
五苓散の生薬③ 白朮
頻尿や多尿、尿が出にくいなど水分の異常代謝に効きます。
五苓散の生薬④ 猪苓
口乾や尿の出にくさを改善する。
五苓散の生薬⑤ 桂皮
身体を温める。
五苓散をベースにしている漢方薬
茵蔯五苓散 (いんちんごれいさん)
五苓散に菌蔯蒿をプラスしたもの。
余分な水湿を取り除くのは五苓散と同じですが、清熱の効果があるので湿熱の除去に使います。
まとめ
五苓散は水滞を改善する効果があり、
利水に効果があるキノコ類の生薬が4種類も含まれています。
胃腸に溜まった水を排出するので、尿のトラブルだけでなくめまいや嘔吐にも効果があります。
脾に湿熱が溜まる「邪湿困脾」の代表処方になります。