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漢方ノート

【漢方ノート9】治法八法とは?

四診をして弁証をしたら、次は治法を決めます。

治療の流れ

四診→弁証

→治則・治法(今日はここについて解説)

→処方

漢方の基本的な治療は以下の8つにまとめられ、これを治法八法といいます。

治法内容
汗法(かんほう)発汗作用のある薬物を用い、汗を出すことで体表の邪気を散らす。発汗だけでなく、身体の中の水の巡りが悪くなった時にも使う。
吐法(とほう)催吐作用のある薬物で、有害物質を吐き出す。腹水、胸水を出す時にも。現代ではあまり用いない。
下法(げほう)排便促進作用のある薬物で、体内の停滞物を排除する。
和法(わほう)和解調和することで陰陽、臓腑、気血水のバランスを整える。
温法(おんほう)温性、熱性の薬物を用い、寒邪を除去し、陽気を活性化する。シナモンやよもぎなど。
清法(せいほう)涼性、寒性の薬物を用いて裏熱を取り除く。清熱が一般的だが、もっと激しい熱は瀉火法。涼血は血の熱をとる、鼻血を止める時など。
消法(しょうほう)気滞、瘀血、痰飲や食積など体内に詰まったものを解消する。
補法(ほほう)気血水、陰陽を補う薬物を用い不足を補う。
漢方女史

治法の頭文字をとって「かんとげわおんせいしょうほ」と覚えます。

消法と補法は種類が多いので詳しく解説をします。

消法(しょうほう)

消法は気滞、瘀血、水滞、痰飲、食積など実証に対して用いられる治法です。

治法内容漢方薬生薬
理気法(りきほう)気の巡りを解消する薬物を用いる。半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)柴胡、香附子、陳皮、厚朴、枳実
利水法(りすい)水の滞りを解消する薬物を用意る。化痰。真武湯(しんぶとう)小青竜湯(しょうせいりゅうとう)沢瀉、茯苓、白朮(水)
半夏、陳皮(痰)
理血法(りけつ)瘀血を解消する薬物を用意る。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)牡丹皮、紅花、桃仁、川芎
消導法(しょくどう)食化促進を促す薬物を用る。平胃散(へいいさん)サンザシ
漢方女史

詰まっているものは出せばいい!という考え方です。

補法(ほほう)

補法は気虚、血虚、津虚、陰虚、陽虚など虚証に対して用いられる治法です。

治法内容漢方薬生薬
補気法(ほきほう)気を補う薬物を用いる。下垂を引き上げる昇堤法も腹む。四君子湯(しくんしとう)人参、黄耆、白朮、茯苓、甘草
柴胡、升麻(持ち上げ)
補血法(ほけつほう)血を補う薬物を用いる。四物湯(しもつとう)地黄、芍薬、当帰、竜眼肉、阿膠、酸棗仁
補陽法(ほようほう)陽気の不足を補う。八味地黄丸(はちみじおうがん)地黄
滋陰法(じいんほう)陰液を養って増やす。六味地黄丸(ろくみじおうがん)地黄
漢方女史

不足しているところは補う!という考えです。

試験対策のポイント

・「かんとげわおんせいしょうほう」は丸暗記。

・消法、補法は個別の症状をしっかり覚える!