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漢方ノート

【漢方ノート7】六腑の病証 治法と代表処方

五臓が不調になるということは表裏関係にある六腑も不調になります。

胆のトラブル 肝胆湿熱

外感湿熱邪の影響で肝胆に湿熱が溜まっている状態です。

両脇には肝の経絡が、隠部には胆の経絡が通っているため、その周辺に症状が現れます。

目やにが出たり、尿が黄色くなったりと熱、黄色、匂いがあることが特徴です。

治法は清熱利湿(せいねつりしつ)です。

熱を取り、湿を外に出します。

代表処方は竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)です。

竜胆はリンドウのことです。

とても苦いので、熱を冷ます効果があります。

漢方女史

肝火上炎でも処方された漢方薬です。

小腸のトラブル 小腸実熱

小腸の役割は水穀の精微の分別、水分の吸収をしています。

表裏関係にある心が燃えていると、小腸にも火が燃え広がり水分の吸収に影響があります。

口内炎、血尿、膀胱炎など熱の症状がある。

膀胱湿熱との見分けるポイントは、舌診です。

舌の先が赤い場合、小腸のトラブルの可能性があります。

治法は清心利水(せいしんりすい)です。

尿によって心の熱を出します。

代表処方は清心蓮子飲(せいしんれんしいん)です。

胃のトラブル

脾と表裏関係にある胃は水穀の精微を受納、腐受、降濁させる働きがあります。

胃は外邪の影響を受けやすく、滞りが起こりやすく病証もたくさんあります。

病証主な症状治法代表処方
胃寒胃が冷えて痛い、温めると気持ちいい温中散寒(おんちゅうさんかん)安中散(あんちゅうさん)
胃熱暴飲暴食、胸焼け、口が苦い、口臭が強い、尿が黄色い清胃瀉火(せいいしゃか)半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
食滞胃脘みぞおちに食が溜まっている。実証。吐くと楽になる。消食導滞(しょうしょくどうたい)平胃散(へいいさん)
胃陰虚胃の陰液が不足。熱証。シクシク痛い。食欲が無い。五心煩熱。便秘、コロコロ便滋養胃陰(じよういいん)
※陰液を増やす
麦門冬湯(ばくもんとうゆ)
漢方女史

肝脾不和では吐いても楽になりませんが、食滞胃脘は吐いて楽になります。

大腸のトラブル 大腸湿熱

大腸は糞便を作る働きがあり、水分を吸収する。

大腸のトラブルは二つあります。

病証主な症状治法代表処方
大腸湿熱便が出てもスッキリしない、尿が黄色い清利湿熱(せいりしつねつ)
※汗と尿で湿を出す
黄芩湯 (おうごんとう)
大腸津虚便秘、コロコロ便、潤腸通便(じゅんちょうつうべん)※蜜やナッツは潤腸効果あり麻子仁丸(ましにんがん)

膀胱のトラブル 膀胱湿熱

膀胱は尿を出す働きがあります。

外感湿熱邪の影響で膀胱にトラブルが起きます。

頻尿、排尿の痛み、血尿などの症状があります。

治法は清熱利湿通淋になります。

熱を取り、湿を取り、尿をスッキリ排泄できるようにします。

代表処方は猪苓湯です。

5つの生薬が配合された漢方薬です。

猪苓はキノコです。腎や膀胱に効きます。

また配合されている茯苓もキノコで、水を出す作用があります。