補気剤の代表処方 四君子湯を覚えます
宋時代「和剤局方」という書物で紹介されている非常に伝統のある処方です。
配合されている生薬は、こちらです。
人参、白朮、茯苓、甘草、生姜、大棗
あれ、6つありますね!?
中国では生姜と大棗はどこの家庭にもある、当たり前のものなので組成には入れません。
人参、白朮、茯苓、甘草、までが四君子湯、
プラス生姜、大棗と覚えます。
シンプルな配合で虚弱な人に効果がある素晴らしい薬だと言われています。
ですが、日本ではあまり処方されることはありません。
むしろ、四君子湯を構成成分にしている他の漢方薬が処方されるケースが多いようです。
六君子湯や、補中益気湯、帰脾湯などです。
どれも胃腸虚弱に効く処方ですね。
これらも四君子湯をベースにしています。
中国では四君子湯の処方が多いですが、高温多湿な日本では六君子湯の処方が多いようです。
四君子湯はどんな症状に効くの?
八網弁証 | 裏証、虚証 |
気血水 | 気虚 |
臓腑 | 脾 |
薬効分類 | 補益剤 |
四君子湯は気を補うためのお薬です。
胃腸虚弱で疲れやすいなど、パワー不足でお腹が弱い人の元気を補います。
四君子湯の生薬① 人参(にんじん)
スーパーに売っている人参ではなく、朝鮮人参のことです。
元気を補う生薬です。
四君子湯の生薬② 白朮(びゃくじゅつ)
白朮はオオバナオケラの根茎。漢方では気を養う生薬として使われます。
整腸や利尿の効果があり、お屠蘇の原材料にもなります。
四君子湯の生薬③ 茯苓(ぶくりょう)
サルノコシカケ科マツホドの菌核を乾燥させたものです。
利水、健脾、安神の効果があります。
水滞の改善に用いられる生薬で、胃の不調に効果があるとされています。
四君子湯の生薬③ 甘草(カンゾウ)
マメ科カンゾウの根を乾燥させたものです。
筋肉の急激な痛みを和らげる漢方薬”芍薬甘草湯”などに含まれています。
グリチルリチンの製造原料になります。
むくみがある人は服用に注意が必要です。
まとめ
四君子湯は6つの生薬が配合されています。
人参が元気を補い、白朮と茯苓は利水、甘草は陰陽のバランスを整え、生姜と大棗で温めます。
宋時代「和剤局方」という書物で紹介されている伝統の処方です。