春先に起こりやす不調。漢方ではどう考えるのか?どんな食事をとればいいのか。私の薬膳ノートを公開します。
春はエネルギーの消耗が激しく、また肝の気が上がりやすい季節。
気血を補い、脾を養い、肝の気を下げることを心がけます。
今回はこんなトラブルを解決する事例をまとめました。
・風熱風邪による喉の痛み(外感病)
・目の充血(肝のトラブル)
・食欲不振(脾のトラブル)
喉の痛み
昨日から喉が腫れて痛い!顔も目も赤いし、熱っぽく感じる。何を食べればいいの?
昨日から→外感病の初期なので、表証。
赤みや熱がある→熱証。
症状が激しいので→実証
八網弁証は表・熱・実。
治法は辛涼解表となります。
体の熱を冷ます食材や、目の充血を取る食材を必ず入れましょう。
風熱風邪に効く食材で使いやすいものといえば、大根があげられます。大根メインで喉に通りやすい献立を考えてあげましょう。
こんなレシピもいいですね。
他にもこんな食材がおすすめです。
・アスパラガス・・・熱を冷やし潤す。咳を和らげる。
・葛粉・・・風の発熱、喉の痛み、口の乾き、頭痛、肩こりに良い。
・菊花・・・目の充血を取る。風寒風邪に効果がある。
目の充血
三月になってから、花粉症で目が赤い。
花粉症なので外感病の初期と考えます→表証
目が赤い→熱証
症状が激しいので→実証
八網弁証は表・熱・実。
治法は辛涼解表となります。
目の不調で熱を持っているので、肝に帰経する涼寒性の食材を摂取したいですね。
忙しい方にはお茶などもおすすめです。
・ハブ茶・・・苦甘・涼/脾大腸
※肝経の熱を取り、目の充血やかすみを改善する。
・菊花・・・甘微苦・涼/肺肝
※風邪を発散させ、熱を冷ます。肝経の熱を取り、目の充血やかすみを改善する。
・薄荷・・・辛・涼/肺肝
※風熱風邪による頭痛。喉の腫れ、痛みに良い。
・桑の葉茶・・・苦甘/肺肝
※風熱、肝火上炎による目の充血を改善
春先の食欲不振
春になって気分が不安定。食欲がわかない。
食欲がわかないのは臓腑による、脾のトラブル→裏証
寒熱は不明なので考えない
気分が不安定→気滞 食欲がわかない→脾気虚
気虚と気滞に同時になっている可能性がある。この場合は、気虚を優先する→虚証
春先のなので、肝脾不和の可能性も?
八網弁証は裏・虚。
治法益気健脾はとなります。
春は肝の気が上がり、脾を痛めやすい季節。
米や雑穀など脾を元気にする食材を中心に献立を考えます。
元気は朝作られるので、朝ごはんを摂取するようにアドバイスをします。
また、元気は米から作られるので、パンよりは米食が良いですね。
食欲がどうしてもわかないようであれば、汁気の多いお粥などおすすめです。
おすすめのお粥のレシピ
・梅干しのお粥・・・甘酸化陰で体を潤す組み合わせ。梅の酸味は栄養の吸収を良くして、水分代謝を整え食欲を上げます。
・玉子入りのおかゆ・・・卵は気血を補い、元気にする効果がある。気虚血虚傾向の人になお良い。
・きのこのお粥・・・きのこは利水をして脾を元気にする。水分代謝が悪い人にも良い。
・鶏肉入りのお粥・・・鶏肉は消化に良く、脾を温める。